内部設計は、複雑なパズルを解く程度ではない

2310月 - による yuichiro ikeda - 0 - コンフィデンシャル

一昔前は、電気製品の内部構造について、見た目の美しさに注目して設計する技術者はほとんどいなかったと思う。少なくとも、話題にはならなかった。ユーザーが直接触れる場所ではないところは、どんなでもいい。とにかく機能として必要な部品を「収める」という感覚ではなかったかと思う。

一方で、Appleは外装に留まらず、内部構造にも美しさを求めている企業だ。製品発表会では明け透けに内部構造をとりあげ、高解像度の写真を見せてくる。「内なる美」というやつだ。Appleの哲学は、「優れたデザインはさまざまな問題点を解決する」ということに他ならないはずだ。製品の使いやすさ、製造コストの圧縮、製品の製造のしやすさ、壊れにくさ、修理のしやすさ、廃棄のしやすさである。これらに潜むたくさんの問題点をデザインを追求することで解決してしまう。この辺りの哲学は話すとながいので割愛。

そうすると当然ながら、搭載しなければならないパーツは外枠となるケースの中に収めなければならず、複雑なパズルを解くかのように何度も試行錯誤を重ねて、どうやったらこの中に収められるのかという構造を検討するのだと思う。

 

今まで自分の思考はここまでで停止していた。しかし、この複雑なパズルにはもう一つ重要な要素がある。そういえば。

「重心」だ。

重力の呪縛から逃れることができないこの地球のものである限り、製品の重心は重要な問題だということを完全に忘れていた。特に人が手に持って利用する製品であればなおさら、製品のどの位置に重心があるかという点は、使いやすさという点に密接に関係している。持ちやすさは操作のしやすさに繋がり、使いやすさに繋がるといった具合だ。最近発売されたiPod touch 5th generationで確認してみたが、重心は中心よりやや右になってはいるもののかなり中心に近い印象だった。右に出ている画像はiPhone 5の内部写真だが、こうやってみてもバランスよく配置されています。少なくとも長辺に関しては完全に真ん中に重心が来ていることが確認できた。手荷物ものでなくとも、パソコンだって同じこと。

どんなに操作性がよい端末であっても、重心がとんでもない場所にあればきっと売れ行きが伸び悩むはずだ。内部設計に潜むポイントを一つ見つけた気がした。2012-10-23-mbpretina

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