F1ブラジルGP決勝 シューマッハ引退戦

2410月 - による yuichiro ikeda - 3 - F1

とにかくとんでもなく素晴らしいレースだった

というのが今の感想

どこまで書けるかわからないけど、書けるだけ感動と感想を書きましょう

昨晩じっくり録画を鑑賞しました

今回は、「音速の貴公子」ことシューマッハの引退戦となるだけでなく、タイヤメーカーのミシュランも引退戦となる。前回の日本GPまでで126ポイントのアロンソに対し、シューマッハは116ポイントと年間優勝にはちょっと厳しい状態。一方アロンソは1ポイントでも獲得すれば年間優勝が決定するため、8位以内に入ればよいレースだ。

地元ブラジル出身のフェリペ・マッサが最終予選で1’10.680のトップタイムをたたき出し、ポールポジションでの出走だが、2次予選の段階で1’10.313とトップだったシューマッハは先日書いたとおり最終予選でトラブルがあり出走順は10番となった。懸念されたエンジントラブルは、エンジン交換にまでは至らず、燃料噴射装置の交換にとどまったため順位通り10番手からの出走となった。

そのほか注目のアロンソは4番、佐藤琢磨は20番の出走となった。ちなみに22台が出走している。

予選までの天気とは違い、気温25度の快晴で路面温度は45度。波乱のレースが現地時間の午後2時から始まった。コースは反時計回りの珍しいコースで、一周は約4.3キロ。これをたった1分10秒超で走り抜けるのだ。

本スタートの前には必ず、セーフティーカー(以下SC)の先導で低速でコースを一周回るウォーミングアップが行われる。通常この一周で冷えているタイヤを温めるために、頻繁に左右にハンドルを切ってタイヤに負荷をかける。そうして一周後いざ、スタートポジションに全機が並んだ。

レッドシグナルが消え一斉にスタート。ポールポジションのマッサを先頭に第1コーナーへ滑り込む。ここでシューマッハがいきなり仕掛け、インコーナーをついて、前をゆくBMWを押さえようとする。コーナーの縁石ぎりぎりの攻防戦は一度は先行を許したが直後のコーナーで抜き、続いて車体を左右に振りながら後ろの攪乱し、バリチェロをも抜いて1週目にして6番手に躍り出た。この最初のコーナリングはホントに素晴らしかった。

一方この最初のコーナーを後ろから走っていた、ウィリアムズ・コスワースがチーム同士で接触、さらに接触したうち1台がその後の最終コーナーで大クラッシュし、2週目からSCが導入されるという波乱の始まりとなった(レース中にSCが導入された場合、現在のポジションのままSCを追従し、追い越しなどが出来ない状態になる)。クラッシュ車体の除去に5周回分がかかり結局7週目からレースが再スタート。しかし、まだどの車体も1周しかフル走行していないため、ここで低速になってしまうとタイヤがさめてしまうため、特に堅めのタイヤを装着していると思われるチームでは頻繁にハンドルを切ってタイヤを温めるシーンが観られた。

6周目最終コーナー手前でSCが解除され、レース再開の直前、ポールにいたマッサはスピードを非常に落とし、なるべく全機同じような状態にした上で、スタートポイントの直線をほぼ最高時速で走り抜け、ポールを維持した。ちなみに最高時速は350キロ...

その2周後、9周目での最終コーナーで6番手をゆくシューマッハがクラッシュ車のカーボン破片を踏んでしまい、タイヤがパンク、すぐには気づかず直線を走り続けて第1コーナーで見事にフィジケラを抜いたものの直後にタイヤバースト(パンクしたまま走行したためタイヤが破裂し、ほとんどホイールだけで走行している状態)を起こし、一周分低速で走行し、緊急ピットインする羽目になってしまう。これで残念ながら最下位にまでポジションを落としてしまう。ホントにこれは残念。ただ、先頭をゆくマッサに追い越されることなくレース復活し周回遅れにはならなかったのが良かった。

このあたりで、トヨタの2台がサスペンションの問題で相次いでリタイア、その後14周目でRBRフェラーリのクルサードもギアのトラブルでリタイア。なんと14周で5台ものリタイアが出てしまった。この時点で戦線には17台が残るのみとなった。

トップをゆくマッサは周回自己ベストを更新して2位をさらに離す一方、シューマッハは最後尾から見事な追い上げを見せ、30周くらいまでになんと7位にまで追い上げを見せた。10人抜き!! トップ集団は出来る限り逃げ切るために、1ストップ作戦をとり、重めの車体で走行することになるのだが、今回のレースのすごいところはトップと最後尾とのタイム差が24秒あるにもかかわらず、周回のタイム差がほとんどなく、1分12秒から1分13秒台までとたった2秒の間にすべてのマシンが収まっているのだ。これはいろいろなマシンの状態が非常によいコンディションであることもあるし、本当のレースをしているというのがよくわかる。20位からのスタートだった佐藤琢磨も素晴らしい追い上げを見せ、中盤ではファステストタイムがシューマッハを超すぐらいだった。今期から参戦したばかりのスーパーアグリホンダが18戦目にしてマシンの状態をほぼ完璧にしてきたと言うことだ。もう完走できることではなくタイムを争える車体になってきたということ。

ぶっちぎりのトップを走っていたマッサは、ピットストップで15秒プラス給油7秒ほどの損失にもかかわらずトップで復帰。4番手のアロンソもぎりぎりのところで4番の座を守って復帰した。

忘れてはならないのが今回が皇帝シューマッハの最終戦であること。フェラーリのチームメイトでなくとも彼がどんなに素晴らしい能力の持ち主かは誰もが知っている。だから、バリチェロやデ・ラ・ロサは正々堂々トレースをしながらも、シューマッハを尊重しきちんとコースを譲る場面も数度観られた。もちろん彼らは易々と順位を落とすつもりはないけれども、これにはかなわないと思った瞬間と、それを感じたシューマッハがうまくあい、見事なコース選択をしてゆくという感じなのだ。

20周目くらいと、1度バリチェロを抜いたあとと2度ほど、おそらくギアのトラブルでシューマッハの車体がスピードに乗れず順位を落とすという痛手もあったが、すぐに復帰し、2度目の追い抜きのあとには、シューマッハがバリチェロに一瞬手を振って挨拶する場面も観られた。

またその前を行くフィジケラは3周ほどに亘ってシューマッハの圧力を受け、残り9周に入った直後の第1コーナーでブレーキングのタイミングを誤り、コースアウト。見事にオーバーテイクした。このあたりも素晴らしく、シューマッハに追いかけられているというプレッシャーがいかに大きいものかというのがわかる。とにかく少しでもインコースに少しでもブレーキを減らしスピードを出さないと追い越されてしまうのだ。しかしそれはほんの一瞬の判断の過ちを犯すとコースアウトを誘発されてしまう精神戦。

4番手をゆくライッコネンも同じ第1コーナーで同時に曲がり、先行を許す。このときにも挨拶する姿が見られた。

アロンソとマッサの戦いはずっと続いていたが、結局18秒以上の差をつけて1:31’53.751でマッサがトップでチェッカーフラグを受ける。2位はアロンソ、3位はジェンソン・バトン、そして最後尾から見事な追い上げを見せたシューマッハは4位という結果になった。

ポールトゥーフィニッシュだったマッサは初の母国での優勝を飾り、最終的にはアロンソが134ポイントで年間優勝、シューマッハは121ポイントで2位となった。

日本GPからシューマッハはマシンがホントに不調だった。それだけに本人も思い残すところがあるようだが、それでもその中で発揮された能力は本当に素晴らしい走りだったとおもう。このレースでF1の一つの時代が幕を閉じることになるが、ともに戦ったレーサー達は又さらに素晴らしい走りを見せてほしいとおもう。来季はオーストラリアからまた始まる予定だ。来季の日本GPは鈴鹿ではなく、富士なので出来れば是非見に行きたいと思っている。

ラストランを振り返った最後の言葉は、「今日のマシンは本当に素晴らしかった。すべてが順調だったら、全部のマシンを周回遅れにできるぐらいにね。奇妙であり、美しいレースだった」。

“F1ブラジルGP決勝 シューマッハ引退戦” への3件のフィードバック

  1. 父がずっとタイヤメーカーに勤めていたことがたぶん影響して小さい頃から何となく横目で見ていたんだけど、去年モーターショーを見に行ってから急に興味が出てきたのでまだ初心者(……?^_^)
    シューマッハとセナの戦いは今すごく興味があって当時の映像や写真や記事を探してるところ
    写真や記事はあるんだけれど、94年サンマリノGPの予選、決勝の映像がなかなか見つからない...
    でも、当時の新聞一面の写真は今でもよく覚えてる
    シューマッハはその後何度か危険な行為としてペナルティーやポイント剥奪があったけれども、そのやり方は別としてもF1やレース、勝利への追求とこだわりの表れだったとも思う
    最近はレギュレーションが厳しくなってスピードより技というのが重視されてきていると思うから、その部分にも注目していきたいね

  2. F1好きだったのね。
    俺もF1ファン。観てはいなかったけど、このレポートで手に取るように「観戦」出来た。ありがとう。
    ちなみに私はセナのファン。セナが命を散らしてしまった時、すぐ後を走って追い上げていたのがシューマッハだったね。彼はセナのクラッシュを観てもの凄いショックを受けていたのを思いだす。前日も一人レーサーが命を落としていて、あれは不吉な空気が流れるレースだった。
    シューマッハはセナに憧れていて、それでもセナやプロストに遥かに凌ぐ成績を残してくれた。セナもきっと天国からエールを送っているだろうね。
    「お疲れさん。よくやったな」と。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。