【映画】メメント

317月 - による yuichiro ikeda - 1 - レビュー

なんだかとんでもない映画を見た

「MEMENTO」

2006-07-31-memento

前向性健忘症という「病気」をテーマにした異色の作品。偶然家でテレビをつけたときに始まるところで、前段の解説でおもしろそうと思ってみたんだけど、ほんとに全く予想も付かないストーリーだった。

男の手に持たれたポラロイド写真からストリーは始まる。その写真には、うつぶせの男が写っている。次第にその写真はかすれて何も撮られてないポラロイド写真へと変化していく。うつぶせの男は目の前にいる。床には薬莢が落ちている。男の顔から離れたメガネが男の顔に戻り、床に落ちた薬莢が銃へと戻り、男に打ち込まれた銃弾は銃の中へ戻る。おとこは「よせ!」という。。。。

そう、この話から、すべては逆回転で作られていることがわかるのだ。

このストリーの主人公は、記憶を10分しか持つことのできない人物。10分前の事柄は全く記憶に残らない。だから、忘れたくないことはポラロイドで写真を撮り、メモをつける。体中に忘れたくないことが刻み込まれている。一度寝てしまえばなぜ自分がここにいるのか、今日は何をするのか全くわからない。ただ彼が頼りにするのは自分のメモと、妻を殺されるまではあった自分の記憶だけ。

妻を殺されたという記憶による復讐心と、自分が過去に書いてきたメモだけでどうやって犯人を突き止めるのか。

この映画の構成は、主人公の記憶の続いている限りで、最後の結末から逆戻りしていく異色の構成で5から10分程度の話が少しずつさかのぼられていく。そうすることで、次第に明らかにされていく彼の行動の根拠。短いタームですでに見た映像とつながりまたさらに前に戻るため、結構疲れるけど、とてもおもしろいストリーだった。

とにかく結末が意外なので。

以下かなりネタバレなのでおもしろいと思ったら読まないでもらいたい。

——-ネタバレです———–

このストリーについて、いろんな評論家がコメントを書いているけれども、それはそれとしてぼくはちょっと違う思いがした。

結局最後が終わりなのだが、最後主人公によって殺された男は、主人公を善意のもとに殺人者に仕立て上げてしまったわけで、彼の存在によって本当は自分の妻を殺した人物でない人を何人も殺してしまったわけだ。でも、そのたびに男は彼にその行動を諭してきた。ということは、その男が殺されたということはその翌日から彼は何をよりどころにするのか。自分の作り上げたストリーの中で生きた自分を次のストーリーの中に導く人はいなくなってしまったわけだ。

——-ここまでネタバレ——–

ところで、この作品は別途DVDが発売されているそうだが、なんとそちらには時間の流れに沿った映像に「作り直された」バージョンが収録されているそうだ。見終わって思ったが、この作品に関してはそいつは絶対必要!

最近記憶をテーマにした映画が多いけれども、主人公の記憶の時間に沿って作られたこんな映画は見たことがなくおもしろい。

今の自分が頼りにするのは、記憶なのか記録なのか。主に記憶を頼りに生きているふつうの人は果たしてその記憶は正しいのか?「マトリックス」のように誰かによって作られたものではないのか?いろんなことを疑わせる内容だった。

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