金融商品取引法の国会通過

86月 - による yuichiro ikeda - 0 - ディスクロージャー

共謀罪をはじめとして今国会は大きな議論を呼ぶ法案が国会を通過していますが、そんななか昨日金融商品取引法が成立しました。
今まで、証券取引法として市場の投資活動や投資家保護などを担ってきた法律を全面的に改正し、名前も新たに金融商品取引法となるのです。(案の段階では投資サービス法ともいわれていました)
現行の証券取引法では投資スタイルが多様化している現在の実態にそぐわない法律となっていることがそもそもの改正の原点でしたが、案が固まってからライブドア事件や村上ファンドの問題が出てきたため、当初案を大幅に追加し、株式や投資信託、デリバティブ、商品先物、外国為替証拠金取引など、包括的な投資家保護を目的として、法制化されました。また規制対象も従来の証取法の枠を超え、民法や商法(現会社法)上の組織に対しても規制がかかるようになりました。
大きな変更点はいくつかありますが、
・規制範囲が証券取引法に加え、大幅に拡大
・風説の流布や相場操縦などの罰則が新設及び強化
・インサイダー取引の罰則強化
・上場企業の四半期開示の義務化
・株式公開買付ルールの期間延長
・市場内と市場外の取引を組み合わせた経営権獲得のための買収では、公開買付を義務化
・大量保有報告書の報告期限短縮
まだ、国会を通過して成立した状態なので、公布はされていませんが、来年の5月頃が施行なのではないかという意見が多いようです、個人的には、四半期開示の義務化が結構大きな話題だと思います。現在の上場企業は、継続開示義務書類は有価証券報告書と半期報告書だけで、取引所に対しては四半期報告書を提出しているものの、法律上の規制はないため、監査等の必要がない状態ですが、法制化されると有報や半報と同様に監査が必要となる書類になるため、実務面では相当な負担が発生すると見られます。もちろん、最近の会社は毎日決算を行っているところも少なくないため、数字を出すこと自体には問題はないと思いますが。
しかし、ほんとに最近は法律改正が多くて胃が痛い。会社法や関連会計基準だけでももういっぱいいっぱいなのに....堀江さん村上さん勘弁してくださいよ
それではまじめに、企業情報開示に関する部分だけ改正部分と施行日関係をまとめてみました。


「証券取引法等の一部を改正する法律(平成18年6月14日公布 法律第六十五号)」
第1条(証取法改正 概要:開示書類の虚偽記載及び不正取引の罰則強化、課徴金制度の変更等に係る部分)
主な改正事項

?有価証券届出書の虚偽記載及び風説の流布・偽計、相場操縦等に対する法定刑を「現行5年以下の懲役又は500 万円以下の罰金」から「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金」に、インサイダー取引等に対する法定刑を「現行3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」から「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」に引上げ。
?いわゆる「見せ玉」行為について、現行法上、相場操縦行為として刑事罰の対象とされている顧客が行うものについて新たに課徴金の対象化するとともに、証券会社が自己の計算で行うものについて新たに相場操縦行為として刑事罰・課徴金の対象化。等
施行日
附則第1条第1号:公布の日から起算して20日を経過した日(=2006年7月4日より施行)
第2条(証取法改正 概要:公開買付制度・大量保有報告書制度の変更に係る部分)
主な改正事項

?公開買付制度について、市場内外の取引を組み合わせた買付への対応、投資者への情報提供の充実、公開買付期間の伸長、公開買付の撤回等の柔軟化、応募株式の全部買付の一部義務化、買付者間の公平性の確保等。
?大量保有報告制度について、特例報告に係る報告期限・頻度の見直し、特例報告制度が適用されない「事業支配目的」の明確化、大量保有報告書の電子提出の義務化等。
施行日
公布の日から起算して6月(一部については1年)を超えない範囲内において政令で定める日から施行
附則第1条第3号:
 第2条による改正後の規定は、下記の改正規定(主に大量保有報告書関連)を除いて、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行される
・第27条の23、第27条の24、第27条の25、第27条の26、第27条の27、第27条の30の2
 ただし、上記の除外される改正規定のうち、次の改正に関してのみ、他の改正規定と同様に公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行される
・第27条の23中「第27条の25第1項」の下に「及び第27条の26」を加える改正部分
・第27条の26中「株券等の発行者である会社の事業活動を支配する」を「株券等の発行者の事業活動に重大な変更を加え、又は重大な影響を及ぼす行為として政令で定めるもの(第四項及び第五項において「重要提案行為等」という。)を行う」に改める部分及び同条に三項を加える部分
・第27条の30の2中「第27条の10第2項」を「第27条の10第8項及び第12項」に改める部分及び「第27条の10第1項」の下に「若しくは第11項」を加える部分
附則第1条第4号:
 第2条の改正規定のうち、附則第1条第3号で除かれた改正規定については、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日に施行される
第3条(証取法改正 概要:証取法→金融商品取引法へ・四半期報告書及び確認書制度の新設・文言の改正)
主な改正事項

○証券取引法→金融商品取引法
○確認書を有報等の添付書類として提出義務化(第24条の4の2、第24条の5の2、第24条の4の8)
○内部統制報告書を有報の添付書類として提出義務化(第24条の4の4)
○四半期報告書提出義務化(第24条の4の7)
○証券取引所→金融商品取引所(名称変更)
○証券会社→金融商品取引業者(名称変更)
施行日:
附則第1条:金融商品取引法は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行
  第15条:新金融商品取引法第24条の4の2から第24条の4の6まで、第24条の4の8及び第24条の5の2の規定は、平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
      →確認書、内部統制報告書に関する改正規定は、平成21年3月期から適用となる。
  第16条:新金融商品取引法第24条の4の7の規定は、平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
      →四半期報告書に関する改正規定は、平成21年3月期の第一四半期から適用となる。
第4条?第20条までは開示には関係ない部分のため、省略。

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