日本語入力環境 ATOKのすすめ

124月 - による yuichiro ikeda - 0 - ナレッジ

このネタはずいぶん前から考えてはいたんだけど、なかなかきっかけがなくて出せなかった。
「日本語入力環境」について。
おそらくほとんど大多数の人は、パソコンの「日本語入力環境」というものを意識したことはないと思います。パソコンはもともと英数半角の組み合わせでプログラミングされ、駆動するものですから、英語のアルファベット以外の文字を使う場合には特別なシステムが必要になります。特に、日本語の場合、単にダイレクトに文字情報が入っていくような英語とは違って、キーボードから入力された文字をさらに変換して用いるのが普通です。そのあたりかなり複雑な構造を要します。
英語のフロー:入力→確定文字
日本語のフロー:入力→アルファベット認識→ローマ字変換→スペースキーの押下→文字列の文節化→辞書検索→複合連文節変換→Enterキーの押下→確定
とまあ、何段階もあるわけです。
WindowsにもMacにも、意識していないだけで標準で日本語入力環境を提供するソフトが入っています。WindowsならばMSIME、Macならばことえりというふうに。これらのソフトが悪いとはいいませんが、あくまでもOSの日本語入力環境を確保する副次的な目的によって作成されているため、あまり変換精度等がよくありません。
そこで、じゃあ専門ソフトを使えばいいじゃんということになるわけですが、それが「ATOK」(エートック)(「Advanced Technology Of Kana-Kanji transfer」の略)というソフトです。ワープロソフト一太郎などを出しているジャストシステムが発売しているソフトで、最初のバージョンから数えると18バージョン、21年という歴史を持ったかなりの古参者。我が家でもバージョン8の時代から、もうかれこれ11年も愛用している。パッケージも8種類になった。
このソフトはとにかく非常に賢い。日本語は文章中どこで区切ってどの部分をどの漢字に変換するか自動では非常に難しいけれど、まあまず変な間違いを犯すことはない。文章の途中から入力をしても、今となっては間違った入力をしても正しい言葉で変換してくれる。おそらく日本語の変換精度は頂点にたどり着いていると思います。
でも、僕がこのソフトを信頼しているのはここだけではない。ジャストシステム社には、日本語変換システムを提供する会社として日本語への責任を自覚している会社だと思っている。1990年から国語学者によるATOK監修委員会を設置。プログラミングの面ではほぼ必要な領域までに到達したとき、ここから先本当にユーザビリティーを追求するならば、日本語の専門家による語彙辞書の編纂が必要だと感じたためだという。国語学者によって選定された語彙辞書に、独自の変換技術が相乗効果を上げ、今に至っている。さらにこの取り組みは今も続き、正しい日本語の使い方をサポートすることや間違った日本語入力を指摘する機能にも役に立っている。また、現在では方言入力にも対応し、「現在の」カレントな日本語はどういう状態でどうあるべきかを常に注視してソフトを作っている。
言語というのは、常に変化を遂げている。「死語」が存在するのがその証拠だ。ある時使われていても時代が変われば別の言葉に置き換わる。変換を要する言語でなくても、必要な技術だ。
また、ATOKは10年ほど前からPCの環境を脱し、携帯電話、PDAをはじめ、さまざまな入力機器に搭載されれるようになった。PSPにも搭載されている。
パソコンに依存すれば間違った漢字を書くことはなくなったが、正しい日本語はやはり人の能力によるところがおおきい。これからの日本語入力環境は、正しい日本語入力をサポートしてくれると思う。ATOKはWindows版のパッケージで9000円ほど。すでに旧バージョンを持っていれば5000円ぐらいで買える。斡旋するわけではないが、是非間違いなく、ストレスのない日本語入力環境で仕事をしてほしい。
ちなみに加えてはパッケージデザインも好きだ。Mac版ATOKの最新版のデザインコンセプトについてデザイナーは、
「デザインのコンセプトは「シンプルな機能美」。それはATOKとMacいずれの世界にも共通した価値観です。」
そうそう。これこそ。
*漢字・日本語処理技術の発展:仮名漢字変換技術 / Kana-Kanji transfer technology
小林龍生ジャストシステムデジタル文化研究所(ジャストシステム社HPよりPDF化)

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