新会社法の矛盾

63月 - による yuichiro ikeda - 4 - ディスクロージャー

昨年6月に新会社法が公布され、最近ちょっと話題になってます。新会社法は、今度の5月に施行されることが予定されています。そもそも会社法は、簡単に言えば従来の商法です。一般的な株式会社に関する商法の規定(これで商法のほとんどだけど)と有限会社法、商法特例法をまとめて、一つにしたモノが、新会社法です。
様々な会計基準が制定され、時代の流れに合わなくなった部分を総括的に改正していますが、原則としてそれほどめちゃくちゃに変わるわけではありません。今度の5月から施行となるので、いまちょうど会社の総務担当の方などは、会社法対応で忙しいことでしょう。
ところで、この会社法で新しく規定されたことのなかに矛盾するのではないかと感じる点があります。それは、株主配当のモノによる配当に関する規定です。
株式会社は一般的に、株主に対して事業年度を通して得た利益の一部を還元しますね。いわゆる配当金です。従来の商法では、株主に対する配当は、現金のみとされてきました。それが、新会社法では現金に加え、モノによる配当を認める規定が新設されました。なぜモノによる配当も認めることとなったのかその経緯を知らないのが問題なんだけれども。
ところで、株主配当というのは、会社が定めた一定期間を通して株主であった人を対象に、出資に見合う見返りとして支払うモノですから、当然その配当には所有権が発生します。つまり、株主に配当を所有する権利が与えられるのです。所有権の範囲について規定している民法によると、現金(債権)の所有権の時効は10年とされています。つまり、たとえば人にお金を貸したとき、その日から10年を過ぎると、その金の所有権は借りた人に移ってしまうのです。ですが、最近は裁判所の判例により、3年という解釈があるため、実務上は3年で所有権がなくなると考えられています。つまり、01年度に係る株主配当金を受け取ることができる期間は、04年までということになります。もしこれより後に株主から配当金支払い請求が来たとしても、会社は払わないことができるというわけです。(別に払ってもいいけれど)
一方、モノの所有権に関しては、現金と違い時効まで20年間を要します。つまり、20年も昔の株主配当に関するモノを請求されても配当しなければならないということになるのです。現金なら20年後もある程度現実的に支払うことができますが、モノとなると同じモノが20年後にあるかどうかも問題になります。それに、モノがないからといって配当しないと、裁判を起こされた場合、今のままでは会社が確実に敗訴してしまうのです。
つまり、新会社法では新たに株主配当にモノを配当できる規定が新設されたものの、実務上はリスクが大きすぎて配当できないから、結局現金でしか無理ということになるのです。
でもいくら何でも、会社法のためだけに民法の規定を改正するわけにいかないし、これはこのリスクをクリアした会社だけ現実になる変わった規定というわけ。最初に事例となる会社はどんなモノを配当するのでしょう?

“新会社法の矛盾” への4件のフィードバック

  1. やっぱりそもそもの理由を調べなければ。。。
    んーーー勉強勉強
    わかったらまたエントリーします

  2. そうすることによって投資家の出資意欲を減退させることにはならないのかな?長期間保有株主も減るだろうから、会社だってモノで支給することを現実にするのは難しいかもね。
    こうした法律を制定するだけでも景気に影響を与えるかもしれない。
    いったい目的はなんなんでしょう。

  3. 株主優待は、慣例的に会社が任意にやっていることで法律上の規定は何もないから、配当とは別のものだよ。
    この配当は、あくまでも従来の配当金に当たるものをものとして配る場合の話。
    従来から、優待を配っていたものは、そうだな、たぶん販管費とかでもともと処理している別のものだからね。

  4. ん??
    ってことはこれが施行されると、
    株主優待の商品とか割引券も、配当扱いになるの?
    それとも、配当と分けられるの?
    だとしたらその境界線は??
    よくわからんぞ?。

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